情報学学位プログラムでは、社会における時代のニーズを踏まえて、人と情報資源を対象とした文理横断の学際的アプローチを採用しています。例えば、情報資源に関する研究では、人の内面にある記憶から地域社会における文化・知識の継承における記憶までを対象として、新たな映像表現を探求することで世代から世代へ伝える取り組みがなされています。また、デジタルネィティブ世代の心に係る研究も文理融合で実施しており、SNS使用が生む新たな繋がりや精神的な支えに関する調査分析を進めています。

 また本学位プログラムでは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指して社会課題の解決に取り組み、調査・分析、モデルやサービスを提案して社会に還元しています。市民生活に身近な図書館情報学の領域では、公共図書館のサービスを通して地域社会の課題解決に取り組み、教育に係る情報分野では、児童/生徒に向けた情報アクセスのための学習情報資源の在り方を研究しています。自治体との協動研究では、言語の意味解析の成果をインターネット上の市民意見の自動収集に適用し、迅速な分析と実態の推移を自治体の政策に反映させるための研究が行われています。

 大学における産学官連携は、異なる価値観に触れる絶好の機会として、社会のニーズを知って研究のきっかけとする場であり、また分野融合の場として積極的に取り組んでいます。学生の皆さんにとっては、専門性と広い視野を育む場で、社会課題を研究課題に昇華させる機会にもなります。本学位プログラムの重点化項目の一つである情報検索の領域では、未着手の社会課題が山積しており、産業界や他研究機関と共に研究し発展させています。膨大なデータのコーパスとその検索を駆使している文脈解析には、意味上の関連性を表す優れた知識グラフ構築の研究に期待がかかっています。また、検索アルゴリズムの評価、検索結果の公平性の面でも企業との共同研究が望まれています。

 このように本学位プログラムは、学内における研究に留まらず、社会との関わり合いの中で見識を広げることや、多様なバックグラウンドを持つ教員や学生同士の交流によるグローバルな視点から生まれた新たな発想や、異文化への理解を大切にしています。ここでは、「社会との接点」という側面に焦点をあて精力的に取り組んでいる研究室を紹介します。