宇陀研究室
「人文学研究者の資料探索行動分析に基づく資料探索プラットフォームの構築」(基盤研究(B)、研究代表者:宇陀則彦、2022年度~2025年度)
哲学、文学、歴史学などの人文学は、資料を大量に読み、理解し、解釈し、関連を見つけ、独自の見解を加えて文章としてまとめる学問分野です。読み、理解、解釈のプロセスのなかで探すべき資料がさらに増えていくため、資料探索の過程と研究の過程は表裏一体として進んでいきます。それに関連して、研究者の資料探索は必然的に個別性が高くなり、汎用性を重視する既存の資料探索システムでは、人文学研究者の資料探索を十分に支援できていません。そこで本研究では、人文学研究者の資料探索行動を調査し、類型化することで、個別性と汎用性の中間的な性格を持つ資料探索プラットフォームの構築を目指します。
人文学研究においては、資料探索自体が研究の一部であり、一見関係ない資料を丹念に読み込み、資料と資料の間に人文学的考察を加えることで新しい関係を見出すプロセスです。本研究では、人文学研究者の著書や論文を著者に解説してもらいながら、研究過程でどのように資料探索を行ったかをインタビューを行い、複数の事例から類型化を行います。その結果をもとに、人文学研究者にとって有用な共創の場としての資料探索プラットフォームの機能要件を明らかにし、プラットフォームを実際に構築します。人文学資料とシステム構築の両方に興味を持つ学生を募集します。